皆さんこんにちは。児童デイtokotokoです。
児童デイは普段の平日グループでは何をしているのか?またどういったねらいでやっているのかお話したいと思います。ですので今回のブログは少々長くなります。ゆったりと気楽に読んでいただければと思います。
まずは水曜日。
水曜日グループは個別課題・全体の課題(数)を行った後、掃除の練習をしています。
個別課題の紹介です。
こちらのお子さんは漢字での名前練習をしています。お見せできないのが残念ですが、難しめの名前でも一生懸命やっています。
こちらのお子さんは名前書きをたくさんやっています。バランスが難しいですね。
こちらのお子さんは名前書きと数を数えてその数の分の丸を書くことを行っております。
次は全体課題の数の課題を紹介します。
ワイヤーにテープが巻いてあり、テープに数字が書かれています。その数字と同じ数の分だけビーズをワイヤーに通すことを行っています。数字と量の一致ですね。大切な基礎課題です。
子供たちそれぞれ課題が違うので1人ずつ用意しています。数が分からない子はあらかじめ見本を用意する、見やすいように明るめの色のビーズで行うなど細かい部分にも気を配っています。見えにくさと数の理解は実はかなり関係があります。お子様によって差はありますので、ここでは細かい説明は割愛させていただきますが、「出来ないのは怠けからくる、子供の理解力がないから」というわけではありません。もちろん課題が難し過ぎることもありますが、障害からくるものなど、色々な理由があります。
プリントではなく、わざわざビーズを用意する理由は見えにくさだけではなく、手を動かしたことによって脳にインプットしやすくなるという理由もあります。「脳 ホムンクルス図」で検索すると不思議で不気味な図が出てきます。(ここに貼りたかったのですが、著作権の問題で貼ることができませんでした。)この図が表現しているのは、手が脳の運動野・感覚野の部分を大きく占めているということです。顔も占めている部分が大きいですが顔の中では口が大きく占めています。手は人体の中では小さいですが、脳が指示を出して動かす部分、つまり脳が動く部位が広いという事を表しています。小さな手を動かすために大きく脳が動いているということですね。また、脳は動かして刺激を与えると活性化されて変化します。ですので、ただ覚えるだけではなく、定着して身について欲しいということであれば、手や口を動かしながら課題を進めるのが良いということですね。やっていることは公文さんやリタリコさんなど大手のところに比べると地味ですし、インスタ映えもしない。ですが、足し算・引き算などが「式と数字の暗記」ではなく、実際に計算し解くことができるようになる為の基礎となる重要な部分です。ここの基礎を抜かすと計算の理解が進みません。掛け算・割り算やお金の数え方など生活に必要な能力に繋がります。
この「脳 ホムンクルス図」で是非とも検索してみてください。医療的な資格を持っていらっしゃる方は必ず目にしている図です。小難しい説明もありますが、読み進めていくと「ここに繋がっているんだ」という面白い発見もありますよ。
長くなりましたが、次に掃除の課題の様子です。
掃除は雑巾がけのやり方を練習中です。マスキングテープを床に貼りここからここまで拭くということをやっています。
掃除なんて大したことしてない、と思う方もいるかもしれません。しかし、端から端まできれいに拭く、手の平全体に均一に力を入れて雑巾が丸まらないように拭く、汚れを認識し拭き取る、というのは思いのほか難易度が高いものです。「端から端まで拭く」という動作はまず右端と左端はどこからどこまでなのか認識し、端の方に雑巾を置き、真っ直ぐ雑巾で拭けるように腕を大きく動かす、真っ直ぐ拭けているか認識し調整する、スタート位置と逆の方の端に着いたら止まる。といったように細かい動作・気を付けなければならないことがたくさんあります。「手の平全体に均一に力を入れて雑巾が丸まらないように拭く」という動作も難しく、先ほど記したように雑巾は手の平全体に均一に力を入れないと丸まったり、雑巾を置いていって手だけで拭いている状態になります。ですので最初に雑巾で床を拭くという動作そのものを覚えてもらう必要があります。これらの動作は前庭感覚、位置覚、触覚、圧覚など子供たちがまだ未発達の感覚を育てるものになります。例えば位置覚は目をつぶっていても、自分の手足がどんな体制をとっているかわかるというものです。前庭感覚は体の傾き、揺れなどを感知するもので遊びで言うとシーソーやブランコなどですね。
発達障害のお子さんはそれらの感覚が過敏だったり、鈍麻だったりします。比較的有名なのが「聴覚過敏」あたりでしょうか。
自分がどんな体制でどんな動きをしているか分からないと意識してても難しいですよね。しかし、少しずつ練習していくと動きを覚えてくるのです。難しいことは少しずつスモールステップで進めることによって苦手なこともできるようになるのです。雑巾がけは発達だけではなく、日常生活にも役立つスキルです。
そして水曜日グループは「生活に役立つ文房具の使い方を覚える」というねらいのもと、制作の課題に力を入れていく予定です。3月はハサミをやっていく予定です。ハサミの課題も細かく分けると「持ち方、切るときの動作(開く・閉じる)、切るときの力の入れ方、線に沿って切る、色々な素材を切る」など軽く挙げただけでもこんなにあります。実はグループの中で同じことをやっていても違う目標・ねらいでやっています。子供たちはそれぞれ違うのに同じ事をやってる!と思う方いるかもしれませんが、1つの動作で色々な目標が設定できます。
もちろんハサミだけではなく、のりやセロテープ、シール、輪ゴム、ホチキスなど色々な事に挑戦していく予定です。
今年も子供たちが制作した作品を展示する展示会も実施する予定です。グループ参加、展示会見学お待ちしております。
次に金曜日グループの紹介に入ります。(*木曜日は音楽療法です。音楽療法については他のブログにあるので今回は説明を省きます。木曜日の様子を知りたい方はそちらをご覧ください。)
金曜日は広い場所で運動を行います。
こちらは体操とストレッチ運動をしています。ストレッチ運動は体の柔軟性を高める怪我を防止するだけでなく見本を見て動けるか、ボディコントロールができているかの確認もできます。例えば「腕をぐるっと回してみて」の指示に対し、どんな動きをしますか?学校の体育の授業でも良くやる「肩回し」です。腕をグルグル回しますよね。ところが、きちんと見本通りにできている子は結構少ないのです。体全体を回旋させる子、体を上下に動かす子など…。一生懸命なんですが、惜しい動きの子がほとんど。
肩回しをするために意識しやすい指示の出し方として「肩をタッチ」「肩タッチのまま肘を回す」というものがあります。このままできるお子さんもいますし、動かし方が分からないお子さんもいます。動かし方が分からないお子さんはスタッフが支援します。見本を見て動くことやボディコントロールは生活の全ての動きにつながるものですね。
これは2人1組で協力して柔らかい布でボールを運ぶことを行っています。意外と皆さん他の子に合わせて動いています。
これはバランスボールを目的の場所まで転がしながら走るという事を行っています。
こちらは大縄跳びをやっています。こちらも最初は全員出来なかった課題でしたが、いまではグループ参加者のほとんどが跳べるようになりました。
大縄跳びができたので今度は1人縄跳びにチャレンジしています。こちらは回すときの手や腕の位置、回すときの力の入れ方、足の動かし方など課題はたくさんありますが、みんな縄跳びが好きで楽しく練習しています。
画像はありませんが、大繩に1人縄跳び用の縄をつなげて1人縄跳びの練習しています。こちらは成功体験を積ませると同時に1人縄跳びの時の大まかな体の動かし方を練習しています。(*半袖・タンクトップのお子さんがいらっしゃいますが、たくさん運動して暑くなり脱いでおります。…季節を間違えた等ではありません!)
金曜グループはこういった形で色々な運動にチャレンジしています。他にも色々な課題・運動にチャレンジしていきたいと思っております。また、紹介しきれていない部分もあります。
どのグループも空きがございます。継続して通うことでより効果が出ます。また、送迎も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
とても長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。2月の活動をまたブログであげていきます。また次回!